【オイルを理解する為の基礎知識】
オイルの種類
オイルは一般的に以下の5種類に分けられます。
■鉱物油
■部分合成油
■VHVI化学合成油
■100%化学合成油
■エステル化学合成油
通常のオイルとは…ベースオイル+添加剤+ポリマーという形で構成されています。では、「ベースオイル」とは何か「添加剤・ポリマー」とは何かを説明いたします。
ベースオイルとは…ベースオイルとは「基油」とも言われ、オイルの基になる油です。原油から精製するものと植物から抽出するものの2種類があり、種類は以下の4種類です。
■鉱物基油 ■高粘度指数基油(VHVI)
■化学合成油(PAO) ■エステル化学合成基油
ベースオイルの種類
■鉱物基油とは…
原油を分留した際にガスの状態でガソリンやナフサ等が抽出した後に「残さ油」というものがアスファルト等と一緒に残ります。この残さ油をアスファルト等と分け、精製した油が鉱物基油となります。原油の残油が鉱物基油です。
■部分合成油とは…
一般的に部分合成油とは、鉱物基油と化学合成基油を混ぜ合わせたオイルの事を指します。
特徴としては、化学合成基油の長所である「耐熱性・低温特性」加わる為、鉱物基油の短所が改善できるという利点があります。また、価格的にも鉱物基油よりは高くなりますが、化学合成基油ほどにはならないという利点もあります。
基本的には、化学合成基油が20%以上含まれていないと「部分合成油」とは呼べません。
■高粘度指数基油(VHVI)とは…
VHVIは鉱物基油を「水素化分解」という工程を経て出来るベースオイルの事を言います。水素化分解とは、「鉱物油の分子構造を一度バラバラにし、水素と結合」させて安定した分子構造に組み直したベースオイルです。
同時に不純物も取り除くことが出来るので、化学合成油に近い分子構造をもったベースオイルです。
■化学合成基油とは…
「炭化水素系化学合成基油」とも言います。原料は、原油を分留した際に「ナフサ」という物質が抽出されます。
このナフサを分解し重合させた物質を「PAO(ポリアルフォオレフィン)」といい、このPAOが化学合成基油と呼ばれるものです。PAOは分子同士の結合力が非常に強く、過酷な条件下でも耐えうる性能を持っています。
■エステル化学合成基油とは…
「エステル」とは植物油(動物油でも可能)とアルコールを原料として作られるベースオイルで、分子中にある「エステル基」という結合構造から「エステル」とよばれています。特徴としては、原油から取れるベースオイルは粘度で油膜強度を出しますが、エステルの場合「極性基という電気を持っており、この極性基が金属面に吸着するエネルギーを持っています」
この極性基とエステル自体の油膜強度が強い為油膜強度・潤滑性能の安定性が良いと言えます。